天堂と十六夜
『ははっ、あの男の愛する女を殺した』
『よくやった…次はあの男だ。お前、百鬼夜行総大将に伝えろ』
『今度はお前の番だ、地獄で待つ…とな』
ははは、と不気味な笑い声をあげて死体と共に消えていった。烏丸は何とか飛んで十六夜が落ちていった崖を見る
「これ、では…」
荒波が崖に思い切りぶつかり、下の方は抉られている。こんな状況では到底、助からない
「総大将……」
傷だらけの身体で何とか飛んで本家へと帰る
十六夜様――
天堂に報告しなければ、という思いと十六夜の安否を案ずる烏丸は不安と絶望で押し潰されそうだった