天堂と十六夜
「心当たりが?」
「いや…名乗ったか?」
「名乗りは…無数の妖怪でした」
そうか、と返事をしつつも心では十六夜のことでいっぱいだった
そんな簡単に命を落とすはずがない…
「地獄っつってもどうやって行きゃいんだよ。死んで来いってか?」
それは無い。襲って来た妖怪たちがお前の番だと言ったのだから死んで会えるということではない
「十六夜…」
天堂と烏丸が二人で話している間も百鬼たちは手当たり次第に探している。中でも必死なのは十夜
喉が潰れそうになるくらいに十六夜の名を叫び続ける
その姿に諦めかけていた数匹の百鬼は立ち上がり崖の下に行ったりし始めた