天堂と十六夜


手当てを終えて大きく伸びをしたり肩を鳴らしたりする獅蛇だが神楽たちは相変わらず俯いたまま



「総大将、俺たちを庇って……助かるのか?」


「お前らの大将はそんなにひ弱か?アタシらが出来ることはした。あとはこいつの気力体力次第だ」



獅蛇の言う通り命を落とすはずがない。信じて待とう。目覚めるまで



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『ここは…?』



天堂が目覚めたのは辺りは何も無く暗い場所。だが水に浮かんでいるようだ



『……そうか。ワシは死んだのか…なら三途の川、か…』



"あなた"



優しい声に呼ばれ、振り向くと向こう側には十六夜の姿があった



『十六夜…』



"あなた、逝ってしまうの?"



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