天堂と十六夜
『十六夜は…死んだのか?十六夜が生きてねぇならワシは"あの世"とやらにでも行っていい』
それを聞いた十六夜は微笑んだがそれは苦しそうな笑みだった
"私は、死んでないのに置いて逝ってしまうの?"
『なら、っどこに居る!』
大声を出した途端に身体中の傷に響いて顔をしかめた
"私は、囚われてる"
『!どこに…』
聞いているのにふふっと笑うだけで答えようとしない。その答えの代わりに問うた
"ねぇ…?私は生きてる。あなたはそれでも死んでもいい、と思ってる?"
『本当に生きてるのか?』
"えぇ"
『…なら、ワシは生きて十六夜を助ける。こんな所で倒れてる訳にはいかねぇ』
その答えを待っていたと言わんばかりに微笑んだ十六夜はすー、と近寄ってきて腹部にあいた穴に手を翳すと温かい光に包まれてみるみるうちに傷が治っていった