天堂と十六夜



縁側にどすんと座って煙管を噛んでいる獅蛇は睨んでいるが天堂は笑って流す


「おぉ………ありがとな」


「んな取って付けたような礼は要らねぇんだよ………行くのか?」


「十六夜が囚われてる。早く助けてぇ」



軽く頷いた獅蛇も立ち上がり、行くと言う意思を示した。結局、天堂、獅蛇、神楽たち、残っている百鬼たちだけで行くことにした



「総大将!倍返しだ!」


「十六夜様も助けて無事に帰って来てくれよ!」



後ろから百鬼たちの弾んだ声を聞いて笑いながら振り向いた天堂



「当ったり前じゃ!」



そう言い残し、獅蛇たちと出ていった 



本家の百鬼たちはあの男についてきて良かったという安堵、一度負けても怯まずに向かっていく姿に尊敬の念を抱いていた









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