天堂と十六夜
『…短時間でよく傷が治ったものだ』
「十六夜のお陰じゃ」
『死んだ女が?愛し過ぎるが故に幻想でも見たか』
周りの妖怪が嘲笑う。それを見て獅蛇が逆に笑う
「そうなんだよ。十六夜十六夜うるせぇんだ、こいつの十六夜を想う気持ちは半端ねぇぞ?…お前ら間違ったな?十六夜に手ぇ出しゃ、半殺しじゃ済まねぇ」
『はっ…だが一度我らに殺られているではないか』
「あんときゃ十六夜の生死が分からなくて勢い無かったからな?女々しいな~」
隣の天堂の背中をばしばし叩きながら笑う獅蛇に十史郎や神楽が慌てて止めさせる。神楽たちは主従関係だが獅蛇は百鬼ではないため違う
「は~あ……………まっ、掛かってこいよ。今度はアタシが居るからそうはいかねぇがな」