天堂と十六夜
突起物とともに主も消失しそれと同時に十六夜の結晶がぱりん、と砕け散った
「十六夜!十六夜!」
落ちてきた十六夜を受け止めて名を呼ぶとゆっくりと目を開けて天堂と目が合うと微笑んだ
「あ、なた…」
抱き締めて互いが居るということを確認した
「愛してる………どこも痛くねぇか?」
「えぇ、ありがとう…」
笑って背中を撫でると天堂はさらに力強く抱き締める
やっと本物の温もりに辿り着けた
十六夜を抱え上げて百鬼たちの居る所まで行くとやはり地獄妖怪は消失しており、獅蛇たちが二人を待っていた
「おせーよ…よぉ、十六夜」
「十六夜様、ご無事で!」
「獅蛇、十夜…皆…ありがとう」
十六夜の無事な姿を確認して百鬼たちは喜び勇み、すぐに地獄から退散した