天堂と十六夜
本家へ戻ると留守を任されていた百鬼たちが出迎え天堂と十六夜を取り囲んだ。十六夜を早く休ませようとしているのに一歩も進めない
「うおーん…十六夜様ぁ」
「十六夜様、良かったぁ!」
十六夜に抱き着いたり手を握ったりして涙を流している。十六夜は疲れた様子を見せることなく、天堂に抱えられたまま笑顔で応えている
「また明日な」
ぶうぶう文句を言う百鬼たちに背を向けて夫婦の居室へと行き、布団に十六夜をゆっくり置いて布団をかけた
「…ありがとう」
「ん?……寒くねぇか?」
微笑んだ十六夜の隣に寝転んで腹辺りをとんとん叩いていた
「十六夜…?」
腹を叩いている天堂の手を握った十六夜。何かあるのかと十六夜を見たが既に意識が無く、細い寝息をたてていた