天堂と十六夜
「まだ子は授かってねぇ身体だったからまし、か…」
いや、子は授かってないにしても危険なめに遭わせて身体に負担をかけてしまったことは事実
「…すまねぇな」
いずれ子を授かるだろう。身籠っている最中はもちろん、身籠る前も安全は確保しなければ
「ん、……ぁ…」
雀のさえずりで目が覚めた十六夜はごそごそと身体を動かして起き上がる。起き上がって目に入ったのは寄り添って寝ている天堂
気のせいか、安心しているような寝顔…
ふっと笑って手触りの良い髪を撫でていると顔を枕に埋めたが片目を開けて見上げた
「夢、か…?」
「いいえ、現実です」
そう言った瞬間、突然覚醒して飛び起きた。十六夜をじっと見つめたかと思うと引き寄せてぎゅっと抱き締めた