天堂と十六夜
「総大将、また明日考えましょう。今日一日で泣き過ぎです。ゆっくり休んでください」
「……あぁ」
布団に顔を埋めて寝転んでいる。どっと疲れた、と息を吐いて目に入った十六夜の白い襟巻きを渡すと余計に泣いてしまい神楽は余計なことをしてしまった、と背中を撫でて頭を下げて退室した
元は天堂のだった白い襟巻き。だが雪が降る寒い冬に十六夜と出逢って、身体を冷やさないように贈った。だが今では一年中ずっと身につけている。それだけ大切にしてくれていたが今ここにあるということは…
「十六夜ー!」
――――――――――――――――
―――――――――――――
――――――――――
「神楽、お疲れさん」
大広間でまだ話をしていた幹部である翔炎、前鬼、十史郎、十夜に手を挙げて輪に加わる神楽
「総大将、どうしたんだよ?百鬼夜行中止なんて滅多にねぇよ」
翔炎の言葉にうんうん頷く面々に神楽は今日の十六夜の様子について話し始めた