天堂と十六夜
あれから一週間が過ぎた。天堂が縁側に座って目を閉じて日差しを浴びているとふわっと夫婦の部屋の前の庭に降り立った者が…
「十六夜…」
「…あなた、どうしたんですか?」
「え、」
「ん?」
にっこり笑いかけてくれて首を傾げる十六夜…これは夢か?吸い寄せられるように立ち上がり十六夜に抱き着くと手を回して頭と背中をゆるゆると撫でてくれる
「十六夜…」
「何ですか?」
「十六夜っ」
「ん?」
明らかに今までとは違う態度と口調。前と同じように優しい笑い声に涙が出てくる
「…泣いてるの?どうしたの?」
少し身体を離して天堂の涙を拭いながら微笑む十六夜を見ていると泣きたくなるのと同時にあれは何だったんだ…と疑問がわく
「いざ――」
「十六夜様っ」
十六夜に何があったか聞こうとすると神楽と十夜がやって来た
「あら二人共、おはよう」
突然元に戻った十六夜に呆気にとらわれるがとにかくよかった、と安堵したが天堂がすぐに十六夜を夫婦の部屋に連れて行った