天堂と十六夜



「心配かけないようにするつもりが仇になったね、ごめんなさい。あなたがこんなに弱ってるなんて思わなかったの」


「ん"ー、いい…十六夜の中身が獅蛇とか思わなかったし」



実は結構強く殴られていて一週間経っても痛みは残っていた。まだ痛いという頬を優しく親指で撫でた後に唇を当てると温かく感じ離すと痛みは無くなっていた



「んん…ワシが不甲斐ないから愛想尽かされたと思ったんじゃ」


「どこが不甲斐ないですか?あなたの価値は好いた私にしか分からないの。百鬼夜行のあなたはかっこよくて、でも馬鹿みたいに正直で子供みたいに可愛い…そんなあなただから素敵だなって思ったの」


十六夜の言葉に感動した天堂はおいおい泣き始めた。抱き締められていると重たくなってきて顔を何とかずらしてちらりと見ると十六夜の肩に頬を預けてすーすー寝息をたてていた。何日も寝ては覚めを繰り返していたためやっと肩の力を抜いて寝れる









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