天堂と十六夜
瞼と唇に口づけすると幸せそうに微笑む天堂
「そろそろ百鬼夜行ですよ?」
「んん…」
十六夜の頭に顔を埋めながら言う天堂に笑って背中を擦る
「じゃあ、起きましょう」
「んん」
白い襟巻きを巻くと嬉しそうに笑って何とか起き上がった天堂と手を繋いで庭へと降りると百鬼たちが待っていて二人を見ると笑顔になった
やはり総大将は十六夜様が居ないと駄目だな
獅蛇から事情を聞いていてすでに把握している百鬼たち。十夜が駆け寄って来て涙を流しているのを見てそんなにひどかったんだ、と納得せざるを得ない
「頑張って、気をつけて行ってきてください」
十六夜の声におー!と元気よく返事して飛び上がった百鬼たちだが天堂が十六夜の手を握ったまま動こうとしなかった
「…行かねぇ」
「「は!?」」
平然と呟いた天堂に百鬼たちは唖然
「総大将、行きますよ」
「今日は行かねぇ!」
「何言ってんですか!そうでなくても最近は総大将の座を奪おうとしてる連中が増えてんですから!!」
「嫌じゃ!」
嫌がる天堂を百鬼たちは首根っこを掴んで無理矢理引き摺っていく。そんな光景に十六夜だけでなく誰もが
そんなんだから獅蛇におちょくられてあんなことになるんだ
そう思った