天堂と十六夜
「愁穂さん……ぁ、体調はどうですか?」
「あなたのお陰でだいぶ良くなりました。」
「そうですか?よかったです……では私はこれで」
立ち上がった十六夜に愁穂は慌てる
「十六夜殿っ、また会いたいのですが、会っていただけませんか!」
「…?はい、たまにこちらに来るので時間がありましたらその時でも」
微笑んで今度こそ背中を向けて歩いて行ってしまう十六夜
「……十六夜殿」
十六夜がくれた薄桃色の手拭いを握りしめていた