天堂と十六夜
景色を眺めたりあちこち店に立ち寄っていると辺りが暗くなり始めた
「あ、桜ちゃん…帰らないと」
天堂に桜李のお守りを任せているが百鬼夜行で疲れているため、無理はしてほしくない
務めを全うして欲しいし、それを支えていけるようになりたい
そんなことを考えながら急ぎ足で帰っていると妖怪に辺りを囲まれた
『上玉な女だと思えば…』
『ほぅ、十六夜か』
『子の守はいいのか?』
『だが帰さんぞ、我らの力になってもらう』
十六夜は慣れているため動揺しなかった。見る限り下のほうだろう
「ごめんなさい、急いで帰っていろいろしないといけないので」
微笑んで立ち去ろうと一歩踏み出したら、ずいっと寄ってきてさらに間合いを詰めた
『帰さんぞ、と言ったはずだ』
『愚弄するなよ…』
妖怪は十六夜を睨んでいるが、十六夜は平気でどうしたものかと困っていた
「十六夜!」
空から天堂の声が聞こえ、上空を見上げると百鬼夜行が…。そして妖怪に囲まれている十六夜を見て天堂は表情を険しくした