天堂と十六夜
「十六夜!」
桜李を抱いたまま十六夜に駆け寄り、片手で十六夜を抱き締めた。十六夜もその温かさに目を閉じて天堂の胸に顔を埋めた
「桜ちゃん…」
天堂の腕に抱かれている桜李を見るとまだぐずって泣き声は出さないものの、顔を歪ませて涙を流していた
「桜ちゃん、ありがとう…」
微笑みながら桜李の頬の涙を拭って撫でるとだんだん、表情が戻っていき涙は止まった
「あう~…きゃっ」
頬を撫でている十六夜の人指し指を小さな指できゅっと握って揺らした
「十六夜様っ、大丈夫ですか?」
急いでやって来て十六夜を心配そうに見つめる十夜に感謝して笑って答えた十六夜
「ありがとう、大丈夫よ……皆もありがとう、帰りましょ」
おお!十六夜様も無事だったしな!
疲れた~、はやく寝ようぜ!
そう言いながら十夜、天堂と話しながら本家まで戻った