天堂と十六夜
桜李が帰って来たのは日が暮れる前だった。結局十六夜は部屋から出してもらえず、帰って来る直前まで愛し合っていた。しばらくして天堂たちは百鬼夜行に出て行く。その間も天堂は桜李に無視されたり、十六夜の取り合いをしていた
「気をつけて」
門を出て見送る十六夜に抱き着いている桜李は天堂を睨み付けていた。それに天堂は、い~!と顔を歪ませて百鬼夜行に行った
"子供"
そんな天堂を苦笑いして見送る十六夜を桜李は見ていた
「桜ちゃん?」
桜李は十六夜からそっと離れて本家へと入って行った。十六夜は不思議に思いながらも追いかけなかった
しかしあれから何時間か経ったのに桜李部屋から出て来ず、気になった十六夜は部屋を訪ねた
「桜ちゃん、どうしたの?」
桜李は机に向かって本を読んでいた。どんな本を読んでいるのかこっそり見ると文字がびっしりの厚い本だった。天堂と喧嘩する時は子供らしいのにこういう所は大人みたいだ