天堂と十六夜




「ううん、何も。ただあなたと行きたいだけです…」


「そうか、行こうな」



笑って十六夜をやんわり抱き締めた


十六夜は何もいらないと言ったが何か贈ろう、と考えていた




安心しきって腕の中で眠っている十六夜を見て天堂も眠くなり、百鬼夜行までの時間をここで過ごした




十六夜は天堂の腕の中なら怖いものはなにも無い、と思えた



だから忘れていた



愁穂の存在を………










< 21 / 163 >

この作品をシェア

pagetop