天堂と十六夜
「こちらの方が引き受けてくださいました!」
店の中にいた妖怪、皆がばっと振り向いて目を見開いた
すると中の男が案内した女の頭をばしっと叩いた
「お前っ、こちらの方に頼んだのか!?」
「……?はい」
叩かれた意味が分からず首を傾げていると皆が口々に説明し始めた
こちらの方はあのっ、十六夜様だぞ!
そうよ!百鬼夜行総大将の奥様……ってことはあなた様は……!?
百鬼夜行総大将、天堂様だ――!
なにも知らなかった女は慌てふためいて二人に頭を下げて必死に謝った
「本当に申し訳ございません!何も知らずに話しかけるのもおこがましいのに!……本当に申し訳ございませんでした!」