天堂と十六夜
「十六夜、どうした?」
しばらくすると天堂がやって来て十六夜の傍に腰を下ろした。十六夜は気配を感じているのに目蓋が上がらない
「十六夜?」
「ん…?」
天堂の心配する声に何とか目を開けた十六夜
「どうした?」
「ん、……ねむ、たい…の……」
微笑んで小さく答えるとすぐに眠り目を開けなくなった十六夜。天堂は心配しながら疲れか、と思い頭を撫でて離れなかった。途中何か食べさせたり飲ませなければと思い起こしたが、食欲が無く欲しくないの一点張りだった
「……よい、十六夜っ」
何時間も眠り天堂は百鬼夜行に行かなければならなかった。その時間になっても起きない十六夜に異変を感じて起こす
「ワシは百鬼夜行行くが大丈夫か?」
「えぇ、お気をつけて」
百鬼夜行から帰って来た天堂は十六夜の出迎えが無いことを不思議に思った。必ず出迎えろ、と言っていないがいつも寝ずに待っていてくれた十六夜。障子を開けるとまた寝転がっていた
天堂が隣に転がったのにも気づかず眠り続けていた…