天堂と十六夜


「総大将を呼んでよろしいですかな?」



お願いします、と微笑むと雁蔵が呼ぶとすぐに入ってきた


慌てて傍に座って十六夜の手を握り頭を撫でた


十六夜は雁蔵と目が合い、頷かれたため自分の口から言うことにした


天堂は未だ不安な表情だったが…


「授かってました…」


告げた途端、口をあんぐり開けて十六夜を見るが焦点があっていないような顔で十六夜は笑ってしまった



「…ほ、本当かっ!?」


十六夜の笑い声で我にかえった天堂は再度確認し、寝転がって頷いた十六夜を笑顔で抱き締めた


「よくやったな…」


その声は喜びで震えていて十六夜の頬に涙が落ちてきた



「出産予定日にはまだ時間がかかるがの…しかし、体調には充分気を付けるようにして決して身体を冷やさぬように、総大将、十六夜様の生活を助けて無理させぬようにして下され。転んだりさせるのはもってのほか………総大将、聞いてますかな」


「ああ、聞いてる」


ごほん、と咳払いをした雁蔵だが喜びで一杯の天堂は話が頭に入らず、十六夜を抱き締めたり好き勝手していたため代わりに全て十六夜が聞いていた








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