天堂と十六夜


「はぁ………ワシも定期的に診察しに来るでの。十六夜様、くれぐれも無理させぬように」


ありがとうございました、と寝たまま言うとまたくしゃくしゃの優しい笑顔を見せて帰っていった



二人きりになった途端に十六夜は涙が溢れてきて天堂はそんな十六夜を抱き締めた



「授かってた…」


十六夜は両手で顔を覆い嬉しさに震える声を出す



「よくやったな…ここにいるのか」



掛け布団の上から十六夜の腹部を触っていて表情、雰囲気はもう父親そのものであった



「…もう十六夜ひとりの身体じゃねぇ…ワシも百鬼たちも助けるからな……数ヶ月後には元気な子を見せてくれよ」


涙を流しながら笑った十六夜の表情は…綺麗で儚かった



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