天堂と十六夜



おい雁蔵っ、十六夜様はどうなんだ!?

病気なのか!?




百鬼たちの問い質してくる声を聞きながら大広間に来て座った。十夜が駆け寄って来て唾を飛ばす勢いで話しかけた



「……懐妊じゃ」



雁蔵は白く長い髭を撫でながらにまっと笑って十夜にこそっと耳打ちした。聞いた途端十夜は目を見開いて固まった


おい十夜っ、どうしたんだ!


早く教えろ!



「十六夜様が……懐妊、された…」



本当か!

二代目の誕生だあ!!



「これこれ、静かにせい。十六夜様が休めん」




雁蔵の声を聞いていないのか騒ぎ続ける百鬼たちを見て雁蔵は目を細めた。百鬼たちは天堂からの報告をうずうずしながら待った


< 41 / 163 >

この作品をシェア

pagetop