天堂と十六夜
障子を開けて入ると十六夜は規則正しく寝息をたてていた
天堂は傍に座り気持ちよく眠っている十六夜の頭を撫でて隣に寝転がった
無事に出産を迎えるまで無理はさせずまた愁穂から守らなければ、と考えていた
思えば百鬼たちに愁穂のことを話していなかった。話さなければ駄目だろう。夫婦の問題だが子を授かっているとなれば話は別、百鬼が一丸となって守らなければならない
百鬼たちも十六夜の懐妊を喜んでいるし、産まれてくることを楽しみにしているから
何がなんでも十六夜を、いや十六夜と腹に宿った命を守り抜かなければ…
腹に宿った命がここにある、と分かったら十六夜と子への愛しさが増してきた
「十六夜…ありがとよ、父親にしてくれて…」
自分もついに父親か
そんなことを考えていると天堂も眠たくなってしまい十六夜の身体に片腕を乗せて眠った