天堂と十六夜




「帰ったぜ~」


用事があり出ていた天堂は庭の方からがやがやと騒いでいる百鬼たちを不思議に思いそちらに足を向けた


「十六夜様、無茶はしないで!」


「そうですよ、もう一人の身体ではないんですからっ」



十夜をはじめとする百鬼たちは十六夜を取り囲んでいた。十六夜が天堂を見つけて微笑んで頭を下げると百鬼たちも頭を下げる



「おかえりなさい」


「おぉ、どうしたんじゃ」


十六夜が一人で庭の掃き掃除やら縁側や水回りの拭き掃除をしていて見つけた百鬼たちは慌てて止めさせたところだった



「一人の身体じゃないんですよ!」


「本当ですよ、十六夜様の身に何かあれば腹の子も…」



「ありがとう…でも動いていた方がお産が楽だって聞いたの」



十六夜を心配している百鬼たちは十六夜に何もさせないようにべったり。苦笑いした天堂は嬉しさを感じつつ自分が見張っておくからと百鬼たちを解散させた


「身体、大丈夫か」


「はい、ありがとうございます」


綺麗になった縁側に座り十六夜を横抱きにして腹を撫でた



「家事は嬉しいが一人でするなよ?ワシか誰か呼べ」


「はい」


天堂の胸に頬を寄せた十六夜は幸せそうに目を閉じて天堂は十六夜の頭に頬を当てた






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