天堂と十六夜



「おさまったか?」


それに笑って頷いた十六夜はすぐに目を閉じて眠り始めた



「…」


十六夜の寝顔を見つめながら考えた。少しでも栄養を摂らせないと弱ってしまう。そうと思えば行動するまで…








そんなに気分は悪くないのだが念のため十六夜は床に臥せっていた。開いた障子から庭の花を見ていると天堂が帰ってきた



「どうだ?」


「今日は大丈夫です」


起き上がろうとした十六夜を手で制して傍に座った天堂の手には小さな紙袋があった。気になって聞くと天堂は笑って紙袋を開けて中を見せた



「これなら無理しなくても食えるじゃろ?」



中には赤、黄色、緑、色とりどりの小粒の飴が入っていた


「…買いに行ってくれたのですか?」


「あんまりつわりは無いみたいだが、少しでも栄養を摂ったほうがいいからな」


ほれ、と赤い飴をつまんで口に入れてきた。ほんのり広がる程よい甘さに自然と笑顔になる





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