天堂と十六夜



鶴はそれを聞いて涙ぐんだ。夫婦で頑張っている



二人三脚だ…



「十六夜様は幸せ者ですね。こんな素敵な方が旦那様で…きっとお喜びになるでしょう」



「そうじゃといいがな、何しろ不器用じゃから」



「愛するひとが自分のために慣れないことをするのです。十六夜様は天堂様のお心を嬉しく思うはずです」



照れ臭そうに後頭部を掻いた天堂ははにかんだ



「ここは、こうしたらえぇのか?」


「えぇ、お上手ですよ」




そんなこんなで二時間程度習って本家に戻った天堂は腹帯を棚にしまって十六夜の容態を確認しに向かった



大丈夫かの…



障子を開けると十六夜は気持ち良さそうに寝息をたてていた。傍に座り頭を撫でながら考えていた



何ヵ月もかかるから毎日少しずつ縫えばいいか。十六夜をびっくりさせようと考えていて百鬼たちにも知られないように自室に籠ることにした



「ん、…」


「起きたか?」



十六夜は何とか目を開いて天堂の姿を目撃すると微笑んだ





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