天堂と十六夜
「十六夜様~、体調はどうかの?」
ほのぼのと話していると雁蔵がやって来た
今日は月に一度の診察の日だった
「はい、お陰さまで大丈夫です」
そうかそうか、と笑いながら二人の自室を開けて入っていった
診察のため二人は自室に入り十六夜を支えながら布団に寝転がせる
真剣な表情で十六夜を診察している雁蔵
「ふむ、順調じゃぞ。このままなら直に産まれるじゃろうて」
「直ってのはいつだよ?」
「だいたい、十月十日って言うじゃろ?…卯月、来月中じゃな」
道具を片付けながら微笑む雁蔵に礼を告げる十六夜と天堂は顔を見合わせて喜んでいた
十六夜の頭を撫でる天堂を見て雁蔵は念には念を押した
「総大将、何度も言いますが気をつけて下されよ……嫌な予感がしますでな」
天堂が雁蔵を見るとその表情は眉に皺を寄せた険しいものだった