天堂と十六夜
十夜はというと、十六夜に恋をしていたが天堂と出逢い、祝言を挙げたため十夜の恋は叶わなかった。
自分としてはずるずるとこの想いを引っ張るかと思っていたが違っていた
天堂と夫婦になり子を授かったと知ったとき、気分はすっきりしていたのだ
恋だったものはそれは実は憧れなのではないかと思い始めていた。自分を救ってくれて行き場所の無かった俺を快く受け入れてくれた
そして朔という弟のことを知ったとき乗り越えようと前を向いて生きているその姿に憧れ、自分も強くなりたいと思ったのだ
あぁ、憧れだったのと思ったときに吹っ切れた
総大将が傍に居ない間は自分が守ると総大将に誓った
「何かあればまた言って下さいね」
そう言って障子を開けたとき不穏な空気が本家を包んだ
何だ!?
もしかして総大将が言ってた奴か!
慌て出した百鬼たちを十夜が鎮めるが十夜も感じたことがないくらいの妖気に焦っていた
「十六夜様…俺たちが守りますから」
「十夜、無茶しないで…」
戻ってきた十夜の手を握った十六夜は目を見て約束させた