天堂と十六夜



庭に下りて百鬼たちと見張っていると真っ黒な煙、そしてその中から愁穂が現れた


「お前か、愁穂というやつは!」



十夜が大太刀を構えると百鬼たちも戦闘体勢を整えた




「そうだ…十六夜殿を渡してもらおうか」



にやりと笑った途端、目をカッと見開くと衝撃波のようなもので弾かれ十夜たちは吹き飛ばされた



本家の一角や庭の木々も壊されて既にぼろぼろになっていた


強烈な一撃に百鬼たちは気絶してしまったが身体を起こした十夜は大太刀から斬撃を放った。避けた愁穂だが余波を真正面から受けた


「煩わしい」



目を合わせたと思ったら身体が動かなくなり話すことも出来なくなった



その間に愁穂は十六夜の居る部屋へと向かい障子を乱暴に開け放ち、十六夜の姿を見つけるとあの冷たい笑みを浮かべて傍に座りこんだ







< 58 / 163 >

この作品をシェア

pagetop