天堂と十六夜
安心した十六夜はふっと微笑んで気を失ってしまった
「十六夜様っ、しっかりしてください、すぐに帰りますから!」
祭壇に上がってきた前鬼と十史郎は十六夜をゆっくり起こして二人で慎重に抱え上げた
「慎重にな…行け」
二人が天堂の横を通り過ぎた途端に愁穂が攻撃してきたが天堂がそうはさせず、二人は洞窟を抜けて本家まで急いだ
「何をっ……あと少しで葬れたものを」
愁穂はあと少しで完成しそうだったことを邪魔され怒りで目が血走っている
「てめえっ、許さねぇぞ……十六夜だけでなく子まで殺そうとしやがって…」
「十六夜殿ほど美しい女などこの世に居らぬ…故に愛した、忘れられない…だが身籠っていた、身籠っている十六夜が憎い。だから腹の子もろとも十六夜も葬ろうとしたのだが」
悪びれもなくたんたんと言う愁穂に天堂は怒りが頂点に達した
ぶわっと妖気が溢れ出てきた天堂に愁穂は戦いた
「言いてぇことはそれだけか…?覚悟しろよ……」
天堂の反撃が始まる