天堂と十六夜
愁穂は百鬼に入れぬ弱い妖怪
だが憎悪で力が増したのか力も強くなっていた。天堂にかすり傷を負わせる程度の攻撃は出来たが、相手は百鬼夜行の総大将
敵うはずもなく、十夜が攻撃していた腹などを重点的に狙っているとついに膝をついて血を流していた
「何故っ、勝てぬ…!?」
真上から見下ろしてきて笑った天堂に愁穂は凍りついた
とてつもない威圧感だ、しでかしたことの大きさに気づいたが時既に遅し
「力の差も見抜けねぇ時点で弱いな。こんなことを平気で出来るお前が十六夜を幸せに出来る訳がねぇだろう。あいつはワシにしか幸せに出来ねぇよ」
唇を噛み悔しそうに俯く愁穂
「十六夜を想う気持ちは分かったがな…だが許せねぇ。十六夜はワシが必ず幸せにする。だから安心しろよ」
そう言った次には刀は愁穂の身体を貫いており身体が灰になった
「終わったな……」
祭壇と蝋燭を見て眉間に皺を寄せた天堂は刀を鞘に収めて洞窟を出て急いで本家に戻った