天堂と十六夜

「久しぶりね」



「おうっ、ずっと忙しくてな……小さいな～。髪は黒で目は黄色か…目は天堂ゆずりだな」



初めて見る二人の赤子に獅蛇は笑って近づいた。頬をつんつんしてくるため十六夜が桜李を渡すと獅蛇は顔を覗きこみ、桜李は笑った



「桜李は二代目になるのかぁ」



獅蛇が高い高いしながら言うと桜李はきゃっきゃと笑い声をあげた



「よし、じゃあな」


「え、もう行くの？」


「おう、この近くに用があるから……またゆっくり来るわ」



桜李の頭をがしがし撫でた獅蛇は十六夜に渡して顔を見に来ただけだから帰る、と帰って行った




「よかったねぇ、抱っこしてもらえて」


十六夜が頬をくすぐると、ふにゃっと笑った桜李は小さい手を精一杯伸ばして、十六夜の細い指をぎゅっと握った



「…ありがとね」


十六夜に何故礼を言われたのか理解できず、片眉をあげた天堂にぽつり、ぽつりと語り始めた