天堂と十六夜
十六夜は何かを見つけたのか獣道に降り立ち、天堂があとを追った
「これ…」
十六夜が手に取ったのは、桜李の履いていた片方の草履。そして傍に落ちていたのは一本のコスモス
草履を額に当てて唇を噛み締めている十六夜を抱き上げた
「気配が近い…もうすぐじゃ、行くぞ」
10分後、桜李の気配が途切れた場所に辿り着いたがそこは普段から敵対している妖怪の住み着いている古びた屋敷だった
屋敷全体に妖怪がうじゃうじゃ居て全てを相手にしていたら時間がかかる
「俺たちが食い止めますっ、総大将と十六夜様は早く中へ!」
十夜が突撃して百鬼たちもそれに続き、戦闘を始めた
屋敷の中に入って廊下を走って着いた部屋は扉が固く閉ざされている
この中から気配を感じたため天堂は斬撃で扉をこじ開けると、猿轡をされてコスモスを握った両手、両足を紐で縛られた桜李を無数に囲っている妖怪だった