天堂と十六夜



「かあちゃんて、"白夜叉"って呼ばれてたんだ!?すっごくつよいんでしょ!?」


…………その話か、と分かった十六夜は天堂を困ったように見た


「話したの?」


「仕方ねぇじゃろ?ワシと十六夜のなれ初めを聞きてぇってうるさいんだよ」



はぁっと息を吐いて下を見ると未だきらきら顔で十六夜を見上げる桜李




「かあちゃん、もてたんだねっ。おれも大きくなったらかあちゃんと"めおと"になる!」



にこっと笑った桜李を見て嬉しくなった十六夜は頭を撫でて抱き上げた


「むねもきもちいいし!」
 

「こらぁ!」


胸を触って顔を埋める桜李に対して天堂は縁側から立ち上がり桜李を十六夜から奪った


「あーっ、かあちゃんっ」


「お前も助平じゃな、もう乳離れしたんだろうがっ、いい加減かあちゃんの胸ばっかり触るのやめろ」


十六夜の腕へと戻ろうと手を伸ばしてもがく桜李を天堂はそうはさせまい、と抱き抱える



「べーっ、かあちゃんとおふろに入ったときいっぱいさわったもん!」



「んだと!?もう桜李はかあちゃんと風呂入るの禁止じゃ」



「えー!?」


「えーじゃねぇよ。ワシと入るんだ」


「とうちゃん夜中にかえって来るからいや」


「いいじゃねぇか」


「よくない、ねむたいからやだよ」



十六夜はそんな会話を聞きながら桜李も段々天堂に似てきたな、と心で笑った



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