黎明の舞踏会 第1章


途端、目の前のレットは表情を歪ます。



「母ちゃんが行かねーと、もう遊園地に行かせないって言うんだぜ?行くっきゃねーだろ?」

「だってアンタ毎日遊びほうけてるじゃない。オバサンがそんなこと言いたくなる気持ち、わかるもん」

「オマエもじゃん!オマエも俺と毎日遊園地で遊んでんじゃん!?」

「私はレットと違って、ちゃんと勉強もしてるもん。」

「お!?お、俺だってなあ〜……」

「……」

「……」

「やっぱしてないんじゃない」

「う、うるせぇえ!さっさと渡すもん渡して遊園地行くぞ!」




やれやれ。レットは懲りないなあ。

呆れてため息をこぼすと、レットは「んだよ!」と声を荒げながら、チャイムを押す。



< 5 / 14 >

この作品をシェア

pagetop