黎明の舞踏会 第1章
途端、目の前のレットは表情を歪ます。
「母ちゃんが行かねーと、もう遊園地に行かせないって言うんだぜ?行くっきゃねーだろ?」
「だってアンタ毎日遊びほうけてるじゃない。オバサンがそんなこと言いたくなる気持ち、わかるもん」
「オマエもじゃん!オマエも俺と毎日遊園地で遊んでんじゃん!?」
「私はレットと違って、ちゃんと勉強もしてるもん。」
「お!?お、俺だってなあ〜……」
「……」
「……」
「やっぱしてないんじゃない」
「う、うるせぇえ!さっさと渡すもん渡して遊園地行くぞ!」
やれやれ。レットは懲りないなあ。
呆れてため息をこぼすと、レットは「んだよ!」と声を荒げながら、チャイムを押す。