ジャガイモの気持ち
①脱がすなよっ!
俺は何の前触れもなく、冷たい部屋から柔らかいけどカサカサな、肌色の物体によって連れ出された。
そしてそのカサカサは、俺にいきなり銀色の刃を向けてきやがった。
だがハードボイルドな俺は、ここで泣き叫んだりしない。
ショリッ
あぁぁあああ!!
俺の一張羅がぁぁあああ!!
泣くならココだろ?
俺を土の中でも袋の中でも冷たい部屋でもずっと優しく温かく包み込んでくれたソレは、いとも呆気なく肌色カサカサの持つ刃に脱がされてしまったんだから。
次々に脱がされ俺は丸裸。
しかし、裸になっても俺は絵になる。
――罪なイモ。
それが俺だ。