Ib〜絵空事の世界〜
受付を過ぎて奥へと行くと、とても広い部屋に出た。
すぐそこには、この美術館の案内掲示板が掲げられている。
《『ようこそ ゲルテナの世界へ』
本日は ご???き 誠にありがとうございます。
当館では現在【ワイズ・ゲルテナ展】を??しております。
ゲルテナ氏が生前描いた 怪しくも美しい絵画たちを
どうか心行くまで お楽しみくださいませ。
xx,xx,xx》
「難しくて読めないなぁ……」
イヴはまだ9歳。
難しくて読めない漢字があったらしく、全ての文を読むことはできなかった。
ここで往生してても仕方がないので、イヴは先を見ることにした。
部屋の中央に行くと、大きな柵が何かを囲んでいた。
それをさらに囲むように人集りができている。
イヴも一目見ようとそれに近づいた。