Ib〜絵空事の世界〜
そこには、床に直接キャンパスを寝かせて置かれた、巨大な絵画があった。
「受付にあった絵だ……」
確かに受付にあったポスターと同じ絵だがそれよりも何倍も大きく、何倍もの迫力があった。
床に置かれているのはゲルテナの意思なのか、実際に深海を覗いているような、そんな気持ちになる絵だった。
「なんか 吸い込まれそうで 怖い……」
他に見ていた誰かが呟いた。
実際に絵が人を吸い込むわけがないのだが、この絵画はそれを思わせるほどに美しかった。
作品の正面には説明書きが掲示されていたので、イヴは読んでみた。
《『深海の?』
ヒトが立ち入ることは 許されない
その世界を ??するため 私は
キャンパスの中に その世界を?った》
やはり、読めない字がいつくかあったがイヴは気にせずに先へ進むことにした。