白銀の女神 紅の王(番外編)
すると、アベルと呼ばれた男の子が私を指さして口を開く。
「ニーナお姉ちゃん、この人だあれ?」
「お姉ちゃんと一緒にお城で働いている人よ。エレナさんというの」
ニーナに紹介され兄妹の目線に合わせるように座り込む。
するとアベルはキョロキョロと視線を泳がせたあと、おずおずと私の方を見て口を開く。
「僕はアベル。こっちは妹のココットだよ」
「こんにちはアベル、ココット。エレナよ」
ニコリと笑ったのが良かったのか、アベルとココットの瞳にあったわずかな不安の色が消え、パァっと表情が明るくなった。
「ブルームが言ってたとおり髪が銀色だ」
「きれいな色だね」
「どうして銀色なの?」
警戒心が解ければやはり子供だ、矢継ぎ早にあびせられる質問に圧倒された。