白銀の女神 紅の王(番外編)
それに…シルバにも会いたいから…
こんなことシルバに聞かれたらついでかよって怒られそう。
不機嫌に眉を寄せるシルバを頭に浮かべてフフッと笑みをこぼす。
けれど、シルバの表情を頭に浮かべたことで、懐かしさににた寂しさを覚え、一瞬のうちにして胸が締め付けられるような切ない想いが胸を支配した。
ふと、シルバも私と同じ気持ちを抱いてくれているのだろうかと考えたが、シルバが寂しがっているなどやはり想像できない。
ましてや今はノース地区で大事な会議が開かれているのに、私のことを気にする暇さえないだろう。
自分でここに残ることを決めておきながら、シルバに会えないことが寂しいなんて矛盾している。
ニーナはあんなこと言っていたけど、やっぱり耐えきれなくなったのは私の方だった。
「会いたい」って手紙を書こうかしら。
実のところ、ニーナにあんなことを言われてから我慢比べのようなつもりで「寂しい」と伝えることを我慢していた。
先に伝えたらなんだか負けのような気がして、シルバに先に寂しいって言ってもらいたかったのかもしれない。