白銀の女神 紅の王(番外編)
そして、結果この状態だ。
シルバからは「寂しい」どころか手紙一通もこず、6日が経った。
もう私の負けでいいから会いたい…
その日の午後は洗濯物を干し終えた後、筆を執っていた。
「よし」
小さく呟いた後、封のされた封筒を笑顔で握りしめる。
胸のうちを言葉にして書き留めたからか、どんよりと曇りかかっていた気持ちが少し晴れたような気がした。
けれど少しストレートに書きすぎたかもしれない、と握りしめた手紙を眺めて考える。
寂しいと思う気持ちのままを文に認めたため、後から読むと恥ずかしいことこの上ない。
寂しいなんて書いちゃったけど、たった6日も我慢できない女など面倒だと思われたらどうしよう。
そんなことを思いながら一人で百面相を繰り広げていると、不意に後ろから声をかけられる。
「エレナお姉ちゃん」
「ひゃッ!」
突然声をかけられたことにドキッと心臓が大きく鳴り、飛び上がらんばかりの勢いで声を上げた。
バッと後ろを振り返ると、同じく驚いた様子のアベル、ココット、ブルームが裏口に立っていた。