白銀の女神 紅の王(番外編)
「そんなことはいいから寝ろ」
「よくない…私にとってはとっても嬉しかったの…」
心地良い睡眠に誘われているのか、エレナの声は徐々にトーンダウンしていく。
「シルバが私に会いたかったって言ってくれた時は…シルバも同じ気持ちでいてくれたんだなって思って…嬉しかった」
こうしてエレナの口から聞くと、自分が言った事の恥ずかしさをまざまざと思い知らされるようで居た堪れない。
が、エレナが喜んでいるのならまぁいいか、と思う俺はフェルトの言う通り腑抜けたのかもしれない。
「シルバ…大好き……」
おまけに普段素直にならないエレナの告白つきというなら恥ずかしさにも耐える価値があるというものだ。
「私も…寂しか…た…」
その言葉を最後にエレナの意識は夢の中へ飛んだ。
いつもこれくらい素直だと良いんだが。
スースーと寝息を立てて眠るエレナを抱きしめ、自らも目を閉じた。