キミヲタ!
『いやー、ちょっと寝坊しちゃいまして…』
私が頭を掻くと真理菜はさらに顔をしかめた。
『そんなことはわかってんの!大体、夏子が寝坊しない日なんてないじゃん!
目覚ましが鳴ったら【西園寺様の声がもう一度ききたいー】って二度寝しちゃうし、目覚ましが鳴らなかったら絶望してふて寝しちゃうし!!!』
『そ、そんなにあつくならなくても…て、ゆうか本題からそれてるってゆうか…なんてゆうか…』
『真理菜は、夏子のことを思って言ってるんだよ!?夏子はちゃんとしたら絶対可愛いんだから!もっと女子力あげなきゃ!』
『うー…そんなこといわれましても…』
『いつまでたっても彼氏できないよ!』
『…彼氏なんていらないもん。』
『またそうゆうこというっ!』
真理菜に怒られながら歩いていると、
いつの間にか校門が見えてきた。
校門の前から茶髪でいかにもヤンキーな
男の子が手ヒラヒラと振っている。
それに真理菜も手を振り返した。