気まぐれなあなたを。
なのに今、和樹からの電話で。
"日曜日に急な仕事が入ったからそっちに行けなくなった"と告げられ、わたしの気分は憂鬱になった。
和樹がこっちにくるからと思ってホテルまで予約してしまったのに。
はぁ……わたしって和樹のなんなのかしら。
ほんとにわたしを愛してるの??
ほんとに結婚する気あるの??
もうわからないわ……。
でもね、和樹とのエッチはキライじゃないの。
むしろ好きなの。
わたしを優しく抱いてくれるから好き。
「―――あれっ、小百合じゃん」
バーのカウンターでお酒を呑んでいると、突然誰かに声をかけられる。
―――わたしは、この声の主をよく知っている。
「―――久しぶりね、啓介」
「なにしてんだ??こんなとこで」
「あなたこそ。まさかここにくるなんて思わなかったわ」