残酷彼氏
と、言って先生にもらった地図を見ながら探し始めてから約30分が経過……。
私は完全に迷子になってしまった。
右も左も見ても目印になるような看板はない。
「おっかしいなぁ。
先生が言うには学校から歩いて5分らしいのに……。」
「人ん家の前に何か用?」
突然、上から低い声が降ってきた。
低くて、感情のない声だ。
「あ、すいま…………。」
私は慌てて声のする方向を見て謝ろうとした。
でもそれ以上の言葉は出てこなかった。