そう、あなたはアイドル。
わたしの腕を引いていたのは、なんとあの大注目の芸能人"松田淳平"だった。
―――なっ、なぜ??なぜわたし腕を掴まれてるの??
ていうかどこ行くの??
ていうか、芸能人が目の前にいるわよね!?
なぜ??どういうことなの!?
わからないわー!!
そしてしばらく走った彼は、細い路地裏に入った。
「はぁ……はぁ……」
つ、疲れたわ……。
久しぶりにあんなに走ったわ。
ほんとに死ぬかと思ったわ、わたし。
「はぁ……お姉さん、大丈夫??」
「……ちょっと待って。あなた本物??」
「本物だよ。本物の、松田淳平。お姉さん俺のこと知ってるよね??」
「……知ってるもなにも、あなた今若い子に人気じゃない。よくテレビで見てるわ」
「ほんと??嬉しいな」
「……ていうか、なんでわたしをここまで連れてきたの??」