そう、あなたはアイドル。
「決まってるじゃん。お姉さんをさらいに来たの」
「えっ??わたしを??」
「そうだよ。実は俺、俳優になる前お姉さんに会ったことあるんだ」
「ええ??どこで??」
「―――お姉さんがバイトしてた、お弁当屋」
「えっ??あなたいたの??」
「いたよ。前は黒髪でメガネ掛けてたんだけどね」
「えっ……あっ、まさか!?」
「そう。ほんとの名前は、宏雅(ひろまさ)」
「あの時の少年って……あっ、あなただったの!?」
「そうだよ。約束通り、お姉さんをさらいに来たよ。約束したでしょ??お姉さんが25になったら、俺が迎えにくるって」
「……まさか、あの時の約束覚えててくれたの??」
「当たり前じゃん。だから約束通り、迎えに来たよ」
―――ダメよ、わたしには彼氏がいるのよ。