片思いの俺
そう言って、俺のとなりに座った。

……黒くて長い髪をウザそうに、かきあげながら、机に肘をついた。


俺の茶髪と違って、真っ黒の髪に、少しだけ見惚れた。


今時、髪を染めてない高校生をあまり見ないから、珍しかった。


俺はニコッと微笑んで言った。


「俺は南木稀汐!よろしく!」


「………」
あ、あれーーー?
聞こえてないとか?

いやいや、それはない。
この距離で聞こえないなんてことは、絶対にない。


転校生は、ケイタイから顔もあげずに、俺に静かに呟いた。






「………よろしくする気はないから」
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