男なら♪
「何年何組だ?」

 と、ブカデンの形相は怖く、佐奈田さえもこの場を早く逃れたくなるほどだ。

「二年一組です。ちくったのはこいつです」

 と、チョロは佐奈田を指した。

「ええっ?」

 佐奈田は寝耳に水で、ただ驚くしかなかった。

「お前か!」

 と、ブカデンは佐奈田をにらんだ。そして、食べ終えたバナナの皮を目の前に落とした。

「違います……」

 佐奈田は精一杯、声を出した。

「ほう、三年生を何だと思っているんだ?」

「そりゃ、恐い、いや、かっこいいです」

 佐奈田も必死だ。

「おい、チョロよ。お前ならどうする?」

「ボコボコに張り倒して、もう二度とセンコウにちくれなくしちゃいます」

 と、チョロは言った。

「そんことしてないぞ」

 と、佐奈田は言うが、ブカデンは聞いていない。
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